プロのテニス選手や野球選手、部活動の学生たちのメンタル面を支えるトレーナーとして活動する柴田梨恵子さん。
広告会社での過酷な勤務から結婚・出産を経て、パート勤務を経験した後、全く新しい分野であるメンタルトレーニングの世界に飛び込みました。アスリートたちの心理面をサポートし、彼らの可能性を最大限に引き出す活動を通じて、柴田さんは「アスリートと共にオリンピックに行く」という明確なビジョンを掲げています。
スキルプラスでの学びを通じて、ビジネスの本質を理解し、自らの価値提供の形を確立した柴田さんの軌跡をお届けします。
劇的Before&After

\スキルを身につけたい方へ/

スポーツ家庭で培った「人の心を見抜く目」
私の父は野球選手でした。甲子園に行き、六大学リーグで活躍し、社会人野球でもプレーした、いわゆる野球のエリートコースを歩んでいました。そのため、私の家庭環境はスポーツが中心でした。
小さい頃から人の心理面を観察するのが好きで、テレビでプロ野球を見ていても「あ、今プレッシャーを感じているな」とか「今、気が抜けたから、この後何かあるぞ」というように、選手の心理状態を読み取ることが自然とできていました。
この経験が、後に私のメンタルトレーナーとしての直感や判断力につながっていくことになります。当時は気づきませんでしたが、振り返ってみると、私の中にはすでにメンタルトレーナーとしての素質が育まれていたのだと思います。

広告会社での過酷な日々から結婚生活を選ぶ決断
広告会社に勤めていた頃は、正直に言うと「死ぬかと思いました」。私の部署は代理店とプロダクションの間のデスクワークを担当していました。24時間稼働する環境で、カツカツのスケジュールの中、放送に間に合うようにCMを納品する調整役を担っていました。
やりがいはもちろんありましたが、昼夜関係なく常に動いている環境は、とても大変でした。そんな中で結婚し、夫との生活を考えた時に、「これに意味があるのだろうか」と疑問が湧いてきました。
お互い寝顔しか見ない生活。仕事を一生懸命して給料をもらって好きなことをするというのは、目先の満足かもしれませんが、豊かに生きるという観点では、目の前にいる大切な人と幸せな時間を過ごすことが私にとって重要でした。

上司に相談すると「柴田さんの人生を生きてください」と言ってくれ、円満退社することができました。この時、独立や起業の考えは全くなく、ただ結婚生活を大切にしたいという一心でした。
元プロ選手との出会いがメンタルトレーナーの道を開く
結婚後、3人の子どもを出産し、育児に専念していました。下の子が1歳になる前、保育園の無償化もあり、空いた時間で働こうと思い、近所の本の製本工場でパートを始めました。8年から9年ぶりの仕事復帰でした。
パートでカバーかけをしている主婦が、プロのテニス選手のメンタルトレーニングをしているというのは、想像できないかもしれませんね。私自身、大人になってからテニスを始め、そのコミュニティで元プロの選手に出会いました。
ちょうどその頃、東京オリンピックがあり、メンタルトレーナーという仕事に興味を持ちました。元プロの選手に「そういうのを受けたことがありますか?」と尋ねると、「ありますよ」と返ってきて、さらに「あなたはメンタルトレーナーに向いている」と言われたんです。
その一言が、私の人生を大きく変えるきっかけとなりました。すぐに行動に移し、紹介していただいた先生に連絡を取り、「メンタルトレーニングに興味があります」と伝えると、「興味を持ってくれてありがとうございます」と感謝され、とても感動しました。
これがメンタルトレーナーとしての私の第一歩でした。

「オリンピックに行く」という明確なビジョン
メンタルトレーニングの学びは、私にとって今までの経験の「答え合わせ」のようでした。人の心理について、直感的に理解していたことが、理論として確認できる感覚です。
学び始めるうちに「私はこれを仕事にしていける」という確信と、さらに「私はオリンピックに行ける」という明確なビジョンが生まれました。自分が競技者としてオリンピックに出場することは叶わなくても、アスリートをサポートする立場でオリンピックに行くことは可能だと気づいたんです。
この目標ができた瞬間から、私は周囲に「メンタルトレーニングをやります」「オリンピックに行きます」と宣言し始めました。資格を取る前からこうして発信していたら、すぐにクライアントさんができ始めたんです。
資格を取った瞬間に開業届を出しました。まだクライアントがいない状態でしたが、「何のリスクもない」と思い、とりあえず出したんです。実践しながら足りない部分を学び、徐々に形を整えていきました。
スキルプラスで学んだ「お金をいただくことの価値」
事業を始めて順調に進んでいましたが、「ビジネスって何だろう?」「売上を上げるにはどうしたらいいのだろう?」という疑問が湧いてきました。特に「オリンピックに行く」という目標を達成するには、より確かな実績や信用が必要だと感じていました。
そんな時、スキルプラスのみかみさんの話を聞く機会があり、特に「ギブ」についての考え方に強く共感しました。私のメンタルトレーニングは「やってあげる」ではなく、クライアントを応援したいという気持ちからの「ギブ」なんです。

それまで「有料でやることは相手への負担になるのでは?」という自問自答がありましたが、スキルプラスでの学びを通じて「しっかりと取り組む意志のある人がお金を払う、それが対価交換」という考え方に納得できました。お金をいただくことへの抵抗感がなくなり、一気に吹っ切れた感覚でした。
スキルプラスのコミュニティでは多くの出会いがあり、チームができ、広告も出せるようになりました。半年ほどでスキルプラスの受講料も回収でき、売上も徐々に安定してきています。
アスリートを支え、オリンピックへの道を拓く
現在、私のクライアントは口コミで広がり、プロのテニス選手や野球選手だけでなく、部活動の学生、一般のビジネスパーソン、経営者など多岐にわたります。
様々な年齢層の方々のメンタルを見ていくうちに、もっと根本的に低年齢層から何か変えられるものがあるのではないかという思いも生まれてきました。メンタルは人間に備わっているものなので、その可能性は無限です。

今後のビジョンとしては、まず事業を安定させ、法人化を目指します。そして、より多くのトップアスリートと関わり、彼らがオリンピックで活躍する姿を側で支えたいと考えています。「選手とハグするイメージ」は既に明確にできています。
それと同時に、メンタルトレーニングを通じて社会に与える価値をさらに広げていきたいと思っています。競技の世界だけでなく、子育てや教育など、様々な分野でメンタルトレーニングの可能性を探っていきます。
チャレンジする方へのメッセージ
やってみないと分からないことの方が多いです。一歩踏み出すリスクは、実はそれほど大きくありません。大きな一歩じゃなくても、小さなステップを積み重ねてもいいんです。
自分がそれをやることで起こるネガティブなことと、ポジティブなことを比べれば、死んでしまうとか破産してしまうような大きなリスクはほとんどないと思います。だったら、やってみましょう。
うまくいかなければ、どうしたらうまくいくかを考えればいい。それは私も振り返ってみると、そういう繰り返しでした。やりながらでもどうにでもなることはたくさんあります。
「成功しよう」というビジョンだけでは難しいかもしれません。「失敗しながらやろう」くらいの気持ちがちょうどいいのではないでしょうか。
行動は早い方がいいです。

柴田さんのように
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